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うそつくのに慣れないで 3



 西日が差し込んでいた部屋はいつのまにか暗くなっていて外の高速道路の光がうっすらと明かりをもたらしていた。

 自分の胸にすがるように抱きついているの露になっている背をなでた。しっとりと手になじむのは体を重ねた直後だからだろうか。

「くすぐったいわぁ」

 まだ余韻が残るのか甘ったるい声では肩を丸めてくすくすと笑う。その声に嶋本の手は背から腰、腿を滑り出す。くちびるはの首筋を何度も軽く吸い上げる。

「あかんって。休憩させて」
「休憩しとけや、まぐろになっとったって文句言わんわい」
「そんなんしたら休憩な、らへ・・・んっ」

 力の全く入っていない手でに胸を押されて嶋本は苦笑する。

「わかった、わかった。後でな」

 やんわりと自分を制した手を片手で握りこんでの頬に小さくキスをしてからゆっくりと嶋本が体を起こすとはため息をついた。

「何や」
「せっかく畳んでたのに・・・」

 脱ぎ散らかしたものと一緒になって散乱してしまった洗濯物と嶋本の顔を恨めしげに見た。

「・・・あとで畳むがな」
「約束やで?」
「わーっとるわい」

 ぐしゃぐしゃっとの頭をかき混ぜるようになでて嶋本はバスルームに向かった。その背に新しい傷を見つけての胸が痛んだ。

「背中、どうしたん?」
「ん〜?あぁ、こないだ漂流物にぶつけたんや、たいしたことないわ」
「気ぃつけな?」
「へいへい」

 おどけるように軽い返事をして嶋本は浴室に入る。シャワーのコックを捻るキュッという独特の音がしたあと、ざぁっという勢いのいい水音にの声は嶋本に届かなかった。

「ほんまに気ぃつけてくれやないややで」



200505??→20080603改

 

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